鷹野 景子(タカノ ケイコ/TAKANO Keiko)

研究者情報

氏名

鷹野 景子

職名

教授

所属

人間文化創成科学研究科自然・応用科学系

所属2

リーダーシップ養成教育研究センター

主担当学科

理学部化学科

担当大学院(修士課程)

人間文化創成科学研究科理学専攻化学・生物化学コース

担当大学院(博士課程)

人間文化創成科学研究科理学専攻化学・生物化学領域

学位

理学博士(1988 大阪市立大学)/ PhD in Science

専門分野

理論化学、量子化学、計算化学

URL

http://www.sci.ocha.ac.jp/chemHP/keiko.htm


研究キーワード


研究内容

 量子化学的手法をベースに、分子や化学反応のシミュレーション計算を行っている。実験科学に対する相補的情報の提供と実験結果の理解や解釈に加えて、新しい分子の設計や現象の予測を目指している。対象とする分子のサイズは大小様々で、無機分子・有機分子・生体系の認識部位など多岐に渡る。ここでは、一例として、糖鎖科学分野への計算化学からのアプローチについて述べる。
 細胞の分化シグナルの発生と制御に関与する新しいタイプのマイクロドメイン糖脂質の立体配座解析を行い、糖のある特定の水酸基の配向が糖脂質糖鎖全体の向きを決めるのに重要な因子であることを明らかにした。また、糖脂質による酵素阻害に対して、フロンティア分子軌道と阻害効果の大きさとの相関を見出し、マンノース結合タンパク質の糖結合性に関して、受容体と基質における静電ポテンシャルの相補性と糖結合性との相関を明らかにした。酵素と基質の相互作用を解析するために、ドッキングシミュレーション計算も行っている。


教育内容

理学部化学科における教育活動に従事した。
「化学特別ゼミI」コンピュータケミストリの入門として、水分子やアンモニア分子の量子化学計算の実習。
「構造物理化学」量子化学の基礎的内容。
「量子化学」量子化学計算の実践的講義(計算機実習)。
「物理化学実験」物理化学の重要概念を修得させることを意図した実験。
「特別研究」卒業研究生(2007年度は1名)の研究指導。
大学院前期課程理学専攻における教育活動に従事した。
「計算化学特論」分子軌道計算の実習と学術論文を読むための専門用語の解説。
「理論化学特論」量子化学の理論の解説。本学客員研究員Dr. Mike Shmidtの英語の授業内容の補足的講義。
「理論化学特論演習」量子化学の専門書の輪読と問題演習により、理論的基礎を養う。
大学院生(博士前期課程物質科学専攻2名、博士前期課程理学専攻1名、博士後期課程複合領域科学専攻4名)の研究・論文指導。修士論文審査においては、主査1件、副査2件を務めた。


将来の研究計画・研究の展望・共同研究の可能性

 量子化学的手法を主な研究手段として、分子およびその集合体を対象とするコンピュータシミュレーションを行う。実験科学に対する相補的な情報の提供および、化学現象の先見的な理解および予測を目指す。生命科学に重要な役割をもつ糖鎖科学への計算化学からのアプローチは先導的な研究と位置づけられ、重要テーマの一つとして推進していく。金属錯体の構造と反応、分子の励起状態と分光学、など実験精度に匹敵する計算研究を推進する。
現在実施している共同研究テーマとして下記のものがある。
(1)マイクロドメイン糖脂質糖鎖の立体構造解析
(2)ホスフェニウム錯体の構造と反応機構の解明
(3)大環状化合物の幾何学構造と分光学的性質
(4)酵素と基質の相互作用の解析
(5)量子化学文献データベースの開発
今後の共同研究の可能性としては、以下のものがある。
(1)モデルコアポテンシャルを用いたポリハロゲンの構造に関する研究
(2)気相分子の分光学定数の高精度予測


受験生等へのメッセージ

コンピュータケミストリ (計算化学)」をご存知ですか?
 高校の化学には登場しない、みなさんにとって新しい分野です。化学の長い歴史とは対照的に、20世紀になってからスタートした若い学問・研究分野です。計算化学は、化学のあらゆる分野の研究に、現在では必須の役割を果たしています。化学は実験の学問として長い歴史を持ちますが、結合の性質や化学反応の過程や機構をコンピュータシミュレーションによって調べることができるようになりました。しかも、現象を説明するだけでなく、予測も夢ではありません。
 お茶の水女子大学理学部化学科では、1年次の基礎化学の一部で量子化学の導入を行い、2年次の構造物理化学(必修)で量子化学の基礎をみっちり学びます。4年次の計算化学および大学院(博士前期課程)の計算化学特論において、コンピュータケミストリの講義実習を受講できます。
 コンピュータケミストリを学び、化学の新しい領域を共に開拓していきましょう。


著書、論文、研究発表等


学会活動


受賞